婆推手帖〜ばばおしてちょう

母と叔母、時々姑+舅の推し活(親介護)記録。現在は叔母の認知症介護を中心に紹介しています。

【高齢ドライバー問題】(まとめ)運転免許を返納してもらいたい

叔母に車を降りてもらいたい!と、免許証返納の説得すること3年半。運転免許の失効を機に、ようやく降りてもらうことができましたが、ここまで車の卒業が長期に渡ってしまった背景には、叔母が【認知症】と診断を受けたにも関わらず、今現在、法的に乗れてしまうことに原因があると考えます。私と同様、【認知症】で運転免許証返納に直面するご家族の参考になればと、その経緯と問題点を私なりにまとめてみました💦

車を降りるよう説得するも一切聞き入れず

2022年の1月頃〜叔母に「免許証の返納をして欲しい」と話しましたが、もちろん「今すぐ降りろ」と言った訳ではありません。その頃叔母は「私はまだまだ車に乗る!」と息巻いてましたので、すぐに降りてもらうのは無理だと判断し、2024年の2月にそれまで乗っていた車の車検が切れ(初回登録から11年目)、その頃には叔母も80歳になることから【今から2年かけて、返納後の生活の準備を進めて欲しい】と説得しました。(当時は私と母と妹の3人で)

しかし、その時既に叔母には、認知症の前段階であるMCI(軽度認知障害)が始まっていて、【段階を踏んで準備すること】や【計画を立てること】、また【返納後の生活を想定すること】が一切出来なくなっていて、ずっとうやむやにされていました💦

しかし、説得を始めて間もなく叔母は、頚椎(首の骨)が溶ける病気にかかり、3ヶ月間入院。退院後、後遺症などもあることから医師に車の運転を控えるよう言われます。

それでも叔母は、医師から車の運転について止めるよう言われても、一切聞き入れませんでした。この様な状態も既に、認知症へと進行が進んでいたのだと思われます。

認知症が始まり、何事にも拒否が強くなる

認知症になるずっと前の叔母は、「車を降りた後は有料介護付き老人ホームに入る」と話していて、義叔父の生前から資金も準備し、入る施設も決め、その施設の見学に私や母を同行させました。

しかし、日に日に「入るのはまだまだ先の話や!」と話が変わっていき、「いつかは入るけど、今じゃない!」と、入所拒否も強まりました。施設に入れば、すぐに車を降りなくてはいけなくなる!と思ったのでしょう。

叔母は「車は私の生きがい」や「車を降りたら私は一気にボケてしまう」と言っていました。友達のいない叔母にとって、車は友達のような存在であったのだと思います。

叔母宅の立地はとても不便で、高齢者が1人で暮らせるような場所ではなく、病院にも買い物にも、車がないと暮らしづらい環境です。

それも理由にして叔母は頑なに降りることを拒否し続け、次第に免許以外のことに関しても、拒否や拒絶が強まっていきました。

するとますます認知症は進行し、日常生活の中でも【おかしな行動】がどんどん増えていきました。

親が亡くなり、実家に戻ってきた向かいに住む娘に「私の友達が安くしてくれるから」と言われディーラーに連れられて行き、母や私に何の相談もなく、その日に新車の契約をしたり、早朝や夜中や雨の日に、その娘を駅まで送迎することが増え、寝不足なまま車で出かけたりするなど、運転に明らかな支障が出始めました。

前回の契約は販売店を探し当て、なんとかクーリングオフ出来たものの、再びその娘にそそのかされて、車の契約に行こうとするような言動が増えたため、仕方なく私が同行して(向かいの娘と勝手に行って、契約されるよりはマシだろうと)安全装置付きの最新車に買い替えることになってしまいました。

当時はまだ私も母も、叔母が認知症だとは判っていませんでした。

あちこち不具合の出ている、安全装置も何も無い古い車に乗り続けられるよりはマシだと考えての事でした💦

しかし、これがさらなる「免許返納拒否」に拍車をかけてしまいました。

高齢者更新講習の予約と取消を何度も繰り返す

本来なら、古い車の車検切れと同時に車を降りると約束させていたのですが(頸椎損傷の病歴もあることから)なんとしてでも降りたくない叔母は【車が古いから降りろと言われた→じゃあ新車を買えば降りずに済む】と解釈していたのでしょう。

結局は私が折れて購入を許可し、新車をまんまと手に入れた叔母でしたが、納車後にも、叔母の運転にに不審な行動が出てきました。

交通事故未遂(接触事故)を私に黙っていた事が後に判明したり、用もなく近隣市をぐるぐる徘徊したり、私との約束を守らずに他人を乗せて出かけたり、夜遅く暗くなってから買い物や病院に出かけたりする様になりました。停めては行けない場所に無断駐車し、それを注意した相手に逆上して言い返したりしたこともあります。

また日常生活でも「認知症?」と思われる言動や行動が増え、いよいよ叔母の運転が大きな事故につながるのでは?と危惧する機会が増えました。

そこで母と相談し、かかりつけ医の協力を得て、脳神経外科への受診を促し、ようやく専門医の【認知症初期と高齢者てんかんである】との診断がつき、ついに医師から「車の運転はだめです」と宣告を受けます。

しかし叔母は【絶対に車は降りない!】との拒否が強まり、運転免許を更新するための【高齢者講習の予約】を繰り返す事が始まりました。

病院での診察日には医師から説明を受け、仕方なく更新講習の予約を取消すも、数日後にはまた予約する、を結局は5回も繰り返すことになりました。

しかし叔母本人には、直近の1回をキャンセルした記憶しかありませんでした。

警察に相談するも法的に免許を取り上げることは出来ず

交通事故を起こす前に、叔母になんとしてでも車を降りてもらわなければと、更新講習を実施する自動車教習所や警察署、運転免許の更新を行う免許センターにも相談しましたが、

①「医師から運転を止められた」からといい、警察が免許証を取り上げることは出来ない

②認知症や高齢者てんかんの診断がついても「車を運転してはいけない」という法律はない

③教習所での更新講習の際【医師から運転をとめられている→はいorいいえ】の自己申告欄で、虚偽の申告をしても、それを罰する法律はない

ということが、叔母の運転免許返納について調べてから初めて解りました。

認知症であっても、誰にもとがめられず、本人が乗りたければ乗れてしまうのです😱

これを知った私は、【そりゃ、全国の高齢者ドライバーの交通事故や危険運転が毎週の様にニュースになる訳だわ!】と思いました💦

ゆるすぎる【高齢者更新講習のその内容】にも驚愕

叔母の件で色々調べてみて解ったことは、法的な整備不良問題だけでなく、現在の【高齢者更新講習の「認知機能検査」のその内容にもかなり問題がある】と思いました💦

①認知機能検査の筆記テスト問題のその内容は、運転には全く関係のないものばかりである→物の名前を覚えて書いたり、今現在の日時を尋ねる問題のみ

f:id:kazokunoegao:20250901224711j:image

②全くイラストの名前を思い出せなくても【ヒント付き解答欄】があり、思い出せるように(点が取れるように)誘導されている

③それでも物の名前が思い出せず、正解数が合格に満たない場合は、更新講習受講の期間中なら、何度でも受け直すことができる

というような、あきらかに【受講者の認知機能を調べる検査】というより、【何としてでも高齢者に運転を続けさせようする検査】なのです💦(ビックリし過ぎて開いた口が塞がりませんでした…)

運転免許取得の時のような、学科試験に関するようなものは一切ありませんし、現在道交法を覚えているかどうかなども、確認も一切なしの内容です。(取得後、60年以上経とうとも、更新講習だけで来ているのが現状です)

私は介護離職をする以前、某保健センターに非常勤職員として働いていましたが、そこで乳幼児健診の準備やお手伝いをしていました。

その中の【3歳半健診】の内容とさほど変わらないのでは?という印象を受け驚愕しました😱

3歳半健診では、自分の名前や年齢を言う、物の名前カードを見て、その名前を言ったり、指差しをするという、発育の様子を伺う検査を保健師が行うのですが、それと比べて内容に大差がないんですよね…。

3歳半の子どもより「絵の数」が多くなり、名前を「紙に書く」という、多少高度な技能は必要になりますが💦

【車の運転】というかなり高度なマルチタスクな技術についての確認が、この内容レベルでは「正しく機能検査が出来ているとはいえない」と痛感しました😰

また、【失敗しても何度でも受け直しが出来てしまう】という点にも、大きな疑問を持ちます。

【一度不合格したのならば、医師の診断書を提出を!】というものではないのです。

「調子のいい時にまた挑戦してください!」となっている現状に三度驚きました。

しかも本屋に行けば、棚には【認知機能試験の赤本】が平然と何社からも売られており、パターン化された試験内容が公開され、【これであなたも一発合格!】と事前にテキストで丸暗記出来るようになっています。(世も末です…)

それだけでなく、認知機能検査と一緒に受ける運転技能についての「実技講習」についても問題があります。

更新講習では教習所で実車に乗り、試験官が横に同乗して運転講習(運転技術の確認)を行いますが、その際になんと!信号無視しようと、停止線をオーバーしようと、障害物に当てようと、車をポールに擦ろうと、路肩に脱輪しようと、エンストしようと、コースを曲がり間違えて逆走しようと【合否は無く、誤りや間違いは口頭指導のみ】で終わってしまうのです!!

こんなに恐ろしい事が【高齢者講習の予約1ヶ月待ちなど混み合う教習所で、当たり前のように日々行われている】事に愕然としました…。(2025年現在)

これを知った私は、高齢者ドライバーが起こした死亡事故の被害者家族の心情を思うと、本当に何とも言えない、技能の真偽を問わず、簡単に運転免許を取らせてしまう【無法律】が許せない気持ちになりました。

最終的に都道府県管轄の警察署に家族から申告

記憶力の調子の良い時であれば、認知症の叔母でも高齢者更新講習に簡単に合格してしまうではないか!となった私は、あちこちに問い合わせした結果、運転免許センターへ相談。都道府県管轄の警察署(府警)に「叔母は認知症と高齢者てんかんの診断が付き、運転を医師から止められている」と、私の名前で家族申告を行いました。

申告後に、申告した病気について医師の意見書を提出するよう求める書類が届きました。これを警察署に提出しない限り、叔母が教習所で合格した後に免許センターに申請に来ても、免許証を手にすることは出来ません。

その時には免許センター職員から「姪さんから病気についての申告がありました」と説明が行われるのでバレますが、その時はその時だ!と私も腹をくくりました💦

それで私と叔母の関係が断絶したとしても、叔母が交通事故加害者になるよりは、ずっとずっとマシです!

しかし、最終的に叔母は免許センターに行くところまでにはならず、教習所での更新講習も何度も予約しながらも、一度も受けることなく、運転免許を失効したのでした。

(5度も申し込んで大騒ぎになりましたが)

3年半、私と母は散々叔母と揉めましたが、無事故で叔母の運転免許は失効を迎えることが出来ました。

【失効】について、叔母がなんとか理解出来た事が(認知症の治療が効き始め、進行が停滞したことで間に合った)本当に救いでした。すったもんだの末に車も売却が済み、無事に叔母は【無免許運転もすることなく】車の運転を【無事故で卒業】することが出来たのでした(涙)

私が【認知症患者の車の運転】について願うこと

とにかく、医師の【認知症】との診断がついた時には、【認知症は車の運転は出来ません】という法律の整備を早急にしてもらいたいと願います。

車の運転技術はとても高度です。【2019年の池袋暴走事故】以降、たくさんの安全装置が搭載された車が販売されるようにはなりましたが、【その機能の設定】には機械や取説の理解が必要であり、また販売店や家族が設定したものを、うっかり認知症患者が解除してしまえば、全く役に立ちません。

あくまでも車の安全装置は、事故を増やさないようにするための、補助的な装置でしかないのです。事故に至る問題そのものは、運転手自身にあります。

【認知症】は単なる理解の衰えではなく【車の運転技能】に関しては【正しく判断できない病気である】という扱いをしてもらいたいのです。

私の叔母は診察の度に脳神経外科の医師に運転を止められるも「事故を起こしても、自分で責任を取ればいいんでしょ!」と正々堂々と開き直りました。車の運転そのものは出来ていましたが(止められても乗り続けていた)、事故を起こすということの重大さは、全く理解出来ていませんでした。

これが【認知症】の最大の恐ろしさです!

運転だけが本能的に出来たとしても、事故を起こさないよう予防する回避する事の重大さを全く理解出来ていないようでは、ハンドルを握る資格はないのです!

「死亡事故になれば損害賠償は全額自己負担やで?医師から止められているのに、自動車保険は使えないよ?!」や「即座に逮捕されて勾留やで!牢屋に入らなあかんのやで!」と叔母に言っても「入って済むなら大したことないわ!」と、本当に呆れるくらい支離滅裂でした💦(叔母はまだ、軽度の認知症との診断でこれですから)

いくら日常の運転が問題なく出来ても、このような認識しか出来ない認知症患者に、絶対に車の運転をさせてはいけないのです。

池袋暴走事故で加害者は「杖をついての外出が大変なので、普段から車を運転していた」という、自分勝手な理由を優先し、自分の能力や技能を過信して運転を続けていました。本人の自己判断力が大幅に衰えていたことが、大きな事故に繋がりました。

そして当時加害者は「自分に落ち度はない、車の性能のせいだ」としたため、裁判は本当に長くかかってしまいました。

本当に凄惨な悲しい事故でしたが、以降もこの様な事故は無くなっていないのが現状です。

今後、この様な悲しい事故は、絶対に1件もあってはならないのです。

早急な法整備と、認知機能試験の内容の見直しを願っています。