婆推手帖〜ばばおしてちょう

母と叔母、時々姑+舅の推し活(親介護)記録

【高齢ドライバー】運転免許を返納してもらいたい(4)

もの忘れ外来を受診し、ようやく【認知症】と【高齢者てんかん】の診断がついた叔母でしたが、医師から車の運転を止められるも、それに従う気は一切なく、免許の更新は諦めてくれましたが、車の運転をすぐにやめる気は一切なく、免許の失効日までは車に乗る!と宣言した叔母でした。しかし、本当なら今すぐにでも運転はやめてもらいたい状態でした。

警察署に相談するも免許取消は出来ないことを知る

2024年の8月に、脳神経外科で【初期の認知症】との診断がつきました。医師から認知症だと言われるも叔母本人は「え!私が認知症ですか?!」と一切認めず。しかも先生に「車の運転はやめないといけません」と言われても「全く症状もないのに、なんで認知症やなんて!私はあんなん言われてもまだまだ乗るよ!」と大憤慨💦運転をやめる気は一切ありませんでした。

この時点で、既に叔母を説得し始めて2年以上もの月日が経過しており(叔母に車を降りるよう)、「ああ、ようやく心配事から解放される!」と思ったのも束の間で、病院での診断だけでは、叔母に免許を返納させる事が出来ませんでした。

そして私は病院に行った翌週、叔母の住む地域の管轄の警察署に、叔母には内緒で相談の電話をしました。

「子どものいない叔母の介護を行う家族なのですが、実はその叔母に認知症との診断が昨日つきまして…」と切り出し、現在の状況を報告しました。

①80歳独居女性、現在も日常的に毎日車を運転中

②子どもがおらず、姪の私が通いで生活介助中

③昨日脳神経外科を受診したら【認知症】と言われる

という旨を伝え、「免許の返納や取消について、警察から本人への指導などはして貰えるのでしょうか?」と尋ねると、

「ご本人からの申請がない限り、警察が【認知症である】と知ることは出来ませんし、免許を取り消したり、失効させることは出来ないのです」と言われました。

個人情報保護法の観点から医師から警察に報告はできないということや、【認知症と診断がついたからという理由で、運転を止めなければならないという法律が今はない】ということでした。

「仮にご家族から認知症とお聞きしたとして、ご本人に運転をやめるよう検討して欲しいと話をすることは出来ますが、それで家族と本人の関係が悪くなることも多く(警察に告げ口されたとして)、余計に返納を拒む方も少なくない」ということもお聞きしました。

運転免許の有効期間内に【認知症】と診断されても、警察は強制的に運転免許の停止や取消の処分をすることはできないということでした。

それを聞いた私は愕然としました…。

叔母本人は認知症と言われた時点で、「自分は違う」と一切認めませんでしたし、「免許も更新して、後3年は乗る!」と息巻いていましたから、到底自主返納する気はないと思います。

ようやく車を降りてもらえると思った【認知症の診断】も効力なしか…との思いに、これまでの2年もの間、説得し続けてきた努力が、ガラガラと音を立てて崩れ、また振り出しに戻ってしまったような気持ちになりました。

医師から認知症と言われるも忘れる

認知症と診断がついても、免許の取消処分はできないと警察から言われたことを母に伝えると、母もがっくりしていました。

8月に病院で「認知症です」と言われた叔母ですが、その翌日以降も車に乗って普段通りの生活を送り、11月に更新を迎えるにあたり、9月に高齢者講習の予約も取っていました。しかし更新については8月末に予約を取り消してくれましたので、問題なのは【失効日までは運転をする】と言い張ることでした。

これまで私は叔母に対し、思いつく限りの【車の運転をやめてもらう説得】を続けてきました。

●事故をした際、病気で溶けてしまった頚椎を傷めれば、寝たきりになってしまうこと

●「見えない見えない」と普段言っている白内障も事故の原因になってしまうこと

●自分が安全に運転できていても、貰い事故ということもあること

●今まで無事故でこれても、これからも絶対に無事故で済むという確証はないこと

●年齢が高くなれば脳の反応は遅くなり、若い時より事故率が上がること

●もし人身事故を起こせば即座に現行犯逮捕されること

●医師から運転を禁止されている以上、事故を起こしても損害賠償に保険は使えないこと

これらの話を訪問する度に叔母にしていましたが「私は絶対に大丈夫。今でも気をつけて来たし、これからも気をつける」や「近くしか乗ってない」、「どうしてもの時以外は乗ってない」と言い張り、何かと理由をつけては、私の説得に応じることはありませんでした。

口頭で話しても忘れてしまうのならば…として【いかに高齢者になれば交通事故率が上がるか】の資料をネットで探し、印刷して叔母に見せたり、「また見てね」とファイルにプリントを入れて読むように伝えたりしました。

しかし叔母は、認知症の診断がついた後には「こんなに毎回たくさん紙を持って来られても読めない!」や「プリントを読め読めと(私が)うるさく言う」と母に文句を言うようになりました。

「あの子が来ると毎回毎回、車に乗るな乗るなと言いうるさい」とまで言い出し、「もう来てもらわなくてもいい」とまで言うようになりました。このあたりから余計に私や母に対する【介入拒否】が一段とひどくなりました。

本当の親子でも難しい免許返納問題

警察の方に相談した際に、「同じように免許返納で悩まれている方々はどうされていますか?」と尋ねると、やはり実の親子でも、高齢者の免許返納問題では【説得してすんなり解決】に至る方は少ないようで、免許を取り上げるも試験場に再発行をしに行っていたり、家族が鍵を隠すも、紛失したとディーラーで鍵を再注文されたりと【いたちごっこ】を繰り返す方もいるそうです。

免許の再発行や車の鍵の再注文が自分で出来なくなるほどの方(認知症が進行した方)なら通用しそうですが、認知症初期の叔母はしっかりしている部分もかなりあり、私が免許を取り上げたり隠したりしても、ちゃっかり再発行してきそうです。「結局は事故を起こしたのをきっかけに降りる方が多い」という現実を聞き、なんとも言えない悲しい気持ちになりました。

離れて暮らす、子のいない独居の叔母へ、姪の私がが出来ることはたかがしれています。それでも運転をやめない叔母に私が出来ることは?と考え、行ったことは

●普段の叔母の行動を毎日電話する母から聞き、遠くに行っていないか確認

●友達は乗せないで!と言い聞かせ、事故を起こせばお金では済ませられないことを説明

●夜に乗らないで!と言い聞かせ、白内障で見えない言い続けている→病院に行くよう説得

●古い車は安全装置もなかった→セーフティサポート付き車に乗り換え

●鍵と車にキーファインダーを付けさせた(内緒で共有し、居場所を把握)

●ドラレコは3か所取り付け、時々SDカードを入れ替えてこっそり持ち帰り、記録を確認し運転技能をチェック

これらのことを免許返納の説得と並行して行ってきました。しかし、叔母は一向に運転をやめず、医師に「認知症です」と運転をやめるように言われても、数日後には忘れてしまうようになりました。

認知症が進んでくると、私との約束の大切さもすぐに忘れてしまい、運転することは重大な過失となることも解らなくなり、友達を乗せて買い物や食事に行ったり、夜に乗って歯医者やマッサージに出かけてしまうことが続いていました。

しかし、このまま黙って放置する訳にはいきません。なんとかして【1日も早く運転免許を返納させたい!】と、別の方法はないか探すことにしました。

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