婆推手帖〜ばばおしてちょう

母と叔母、時々姑+舅の推し活(親介護)記録

保健センター勤務時代の知識が介護の支えに

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現在、介護離職して約2年になりますが、それまでは地方自治体(役場)の保健センターに事務非常勤職員(アルバイト)として勤務していました。健診のデータ管理や住民さん向けの健康に関する資料作成の補助をしていました。

福祉や健康の専門職と関わる仕事を経験

直近は保健センターでの非常勤職員として5年間。その前に子育て支援課で1年、国民健康保険課で3年と、合わせて9年間働いていました。その間、本当にたくさんの福祉や健康に関する専門職さん達と知り合うことが出来ました。

保健師、看護師、助産師、管理栄養士、介護福祉士、社会福祉士、医師、歯科医、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、保育士、と本当にたくさんの方と一緒にお仕事をする機会に恵まれました。

特に保健センターでは幅広い年代の住民さんに対しての健康についての案内や提案をしていくため、毎日が本当にバタバタ💦それまでは建築技術者として10年、土木・機械・電気関係の設計部門のCADオペレーターとして10年と、全く畑違いの仕事に就いていたので、毎日が勉強の日々でした。

保健センターでは健康行事の開催や栄養相談などの他に、妊婦さんの母子手帳交付に始まり、妊娠中のママのケア、出産後の出生届からは母子ケアに移行していき、乳幼児健診や予防接種や就学前健診を実施します。また、全年代に対しての健康提案事業を実施しながら、病気予防についての啓発活動を行い、40歳以上の方には年1回の健康診断やがん検診を勧奨し、受診後の結果管理を行います。また、国民健康保険課や子育て支援課、高齢福祉課や包括支援センターとも連携した事業を行うために、そちらのお手伝いにも入っていました。

ある意味、正職員さんは一つの部署しか担当しませんが、非常勤職員は多岐に渡る部署での作業に就くので、色々な部署の専門職さん方と知り合えて本当に良かったと思います。

コロナ期を経験しホームケアの大切さを知る

また大変だったのはコロナ期。自粛期間〜予防接種〜自粛期間明けに至る4年間は、本当に未知の世界で手探りしながら日々の対応に追われる毎日でした。毎週毎週、厚労省からの資料や通達に目を通す日々で(莫大な業務量の正職員さんのサポートをする上で必要となり)大変ながらもとても勉強になった貴重な体験でした。

その結果、日々のホームケアの大切さを認識。働き盛り世代からの病気やフレイルの予防から、高齢世代のフレイル期の過ごし方や介護予防の大切さも、包括支援センターや社会福祉協議会の方とするお話の中で、その重要性を知ることが出来ました。

私たちには老化を止めることは出来ません。どんな社会地位の高い裕福な方であっても、普通の生活を送る一般的な庶民の方であっても、【老い】は同じようにやってきます。

お金をかければ多少の老化を遅らせることは出来るかも知れません。しかしそれでも【本人の自覚と努力】なしには、それを最大限に活かせることは難しいのではないかと思われます。

逆にお金をかけずとも、本人の心持ちとやる気次第で(大金を払わなくても)老いを遅らせることは可能ではないかと思うのです。

毎日の食事や運動、そして心のケアを自宅で持続して続けることは、健康も介護も、より長く良い段階を維持させる事が可能だと考えています。【老いを止めること】は出来ませんが、ホームケア次第で【老いを先に遅らせる】ことは可能だと思います。栄養バランスを考えた食事を摂ることや、水分摂取量にも気をつける。日々の運動や社会的なつながりを持つこと、精神の安定を心掛け、ストレス発散や趣味を持つこと。これらを他人から言われて渋々取り組むのではなく、その内容や意味合いを理解し、自らが楽しんで取り組むことで、継続性のあるホームケアの効果が期待できるのでは?と思います。

介護離職するも仲間に助けられる

実妹が病気で亡くなり、妹と一緒に暮らしていた母が独居となったのをきっかけに、長く勤めた保健センターを退職することになりました。ちょうど母の姉である叔母も独居となり1年になっていましたが、その叔母に認知症の兆候が見られ始めた事もあり、退職を決意しました。私自身、たとえ非常勤職員のアルバイトであっても、勤務する以上は責任を持って仕事に就くべきと考えていましたし、母や叔母の事で急な休みや早退、また入院となれば長期休暇を突然取らなければならない事を想定すると、やはり常勤で働くことは難しいと思いました。

50代半ばにして初めての専業主婦となったのですが、遠方の母や叔母宅に家事介助をするために通いながら、訪問日以外の日も電話やLINEでこまめに連絡を取り合う生活は、思ったより大変です。母や叔母が元気な時は良いのですが、体調不良になれば、病院同行や看病で訪問日が増えます。

また、叔母の認知症が進み出してからは、その対応がなかなか大変で、叔母の住む地域の包括支援センターに相談に行ったり、かかりつけ医へは定期的に叔母には内緒で様子を聞きに通っています。

そんな時に助けられるのが、保健センター勤務時代に得た知識と、そして知り合った専門職の方のアドバイス。「ああ、あの時の住民さんには、こう接していたなー」とか「こんな風にするのがいいのよ、と言われていたなー」と、思い出して参考にしてみたり、困った際にはそのやり方や勧め方をやってみたりと、本当に助けられることがたくさんあります。

また、勤務当時に仲の良かった専門職さんに今もアドバイスを受けたり、中学時代からの友達は他市でケアマネ職に就いているので相談したり。身近に相談できる人がいることは、本当にありがたいことです。今の私は本当にたくさんの方に支えて頂いて、なんとか介護が出来ています。妹が亡くなり、実質【ひとりっ子介護】になった私にとって、支えてくださる方の存在は、かけがえのないものだと実感です。

この経験を活かして仲間を増やしたい

2025年に入り、私の地域の役場主催の講習会に参加し【認知症サポーター養成講座】で講師となる【認知症サポーターキャラバンメイト】の登録を行って来ました。ボランティアとして、認知症とはどんなものかをより多くの方に、理解を深めていただく活動となります。認知症サポーターにはどなたでもなることが出来ます。講座開催は地域により異なりますが、小学校〜中学校や、町内会から企業まで、要望があればキャラバンメイトがお伺いして、認知症サポーター養成講座を開催しています。

私が何とか2年こうしてやってこれたのも、認知症に対しての知識豊かな、保健師さんや看護師さん、ケアマネさんたちのおかげです。この助け合いの輪を皆さんにもお裾分けし、認知症に対しての悩みや辛さを少しでも軽減出来るお手伝いが出来たらと思っています。認知症サポーター養成講座を通して、介護が少しでも楽になるよう支え合える仲間を増やせたらと。

もちろん、まだまだこれから勉強をたくさんしていかねばなりませんが、私自身もこれからも頑張るための張り合いになれば、と思っています。