婆婆(ばば)推し〜同居しない親介護

3人の婆婆様たちの推し活(親介護)日記

【認知症】満腹のサインがわからなくなり大食漢になる

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叔母が【認知症初期】と診断されて2ヶ月が経過しました。しかし最近では色々な失敗も増え、初期から中期に入ってきたな、と思われる言動が増えてきました。その中でもおかしいな、と思われたのが【突然大食いになった】ことでした。認知症に関する図書を数々読むと、【一過性の過食状態が現れる】というような記述がありました。

バイキング形式でびっくりするほど食べる

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叔母は小柄な体格で、145センチ、40キロ。私が介護を始めた78歳の頃には既に筋肉がなく、床にしゃがみ込むと、どこかにつかまらなければ、ひとりで立ち上がれないような状態でした。今ある筋肉を維持するためにも、たんぱく質を多く摂るような食事にしなくては、という話をしても「そんなに食べられない」と言うような人でした。

それが認知症?と思い出した頃から、突然かなりの量を食べるようになりました。私や母と比べて全然食べられなかった叔母が、びっくりするくらいの量を食べるのです。

ランチを3人で食べに出かける機会もありましたが、その時は【注文して出される1人前】を食べていたのでわかりませんでした。

しかし、2023年の5月頃からはランチの定食を食べた後に、ケーキセットを注文し、それも完食する様に。母も「姉ちゃん、定食でご飯をお替わりしていたのに、まだケーキを食べるの!?大丈夫か?」と心配するほどでした。

そして2024年の5月に【母の日のお祝い】と、私が母と叔母を連れてホテルランチのバイキングに招待した際に、何度も何度も料理を取ってくる叔母にびっくり。前菜もメイン料理もパスタやご飯も何度も取りに行くのです。デザートの果物やソフトクリーム、ドーナツやケーキまでお替わりし、叔母はパンツのウエストボタンを「苦しい」と言いながら外すまで食べていました。さすがの母も「もうやめとき!帰り道に気分が悪くなったら大変!」と止めていました。

特大サイズの梨を毎日1個食べていた

母は叔母と2-3ヶ月に一度、お互いの住まいの中間駅で会い、一緒にランチを食べに行くのが楽しみでしたが、ここ1年ですっかり【叔母の大食い】は日常化してしまい、母も叔母の大食いには驚かなくなっていて「姉ちゃんはよく食べる人」という認識になっていました。

しかし、レストランでのランチバイキングでの、異常な叔母の食欲を目の当たりにして以降、私と母は【叔母の食事内容】に注意し始めました。すると、毎週生協でりんごや梨を注文した上、さらにスーパーでも買い足していることがわかりました。

特にお盆の時期にお供え用として店頭に梨が並び始めると、よく買って食べているようでした。

その頃、認知症がはっきりと確認できるようになり、色々他でも失敗が増えてきた叔母は、私と母への【介入拒否】が出始めて、私も訪問回数を減らしていた時期だったので、詳しくどのくらいの量を食べているかは把握できていませんでした。

しかし、2024年10月に親族で不幸があり、久々に長時間叔母と話をする日がありました。その時に朝食の話になった際に「今朝は何を食べたの?」という私の問いに叔母は「今日もこんな大きな梨をひとつ食べた」と手でジェスチャーするのです。びっくりして「え?そんな大きな梨を丸々ひとつ?」と尋ねると「3Lの梨や。美味しかったから、全部食べたわ」というのです。

よくよく聞くと2つや3つ入りの梨を生協で週に1回注文し、それが無くなったらまたスーパーに買いに行くと言います。「毎日1個食べてるよ!あんたが、果物は体にいいよと言ったから!」と言うのです。(もちろん、適量食べての話ですよ💦)

亡くなった義叔父へのお供えとして梨を買いに行き、食べて無くなると「お供えが何にもないと可哀想」と、また買いに行き食べているようでした。親族の葬儀に着て行こうと喪服を出してくるも、いつも着ていた7号サイズの腰ベルトが、ここ数ヶ月の果糖の摂りすぎからか留められなくなっていて、叔母は慌てて安全ピンで留めていました。

葬儀では他人の料理まで貰って食べていた

その葬儀に参列した際にも叔母には異常な食欲が見られ、親族たちにも驚かれていました。出棺後、斎場での骨上げまでに出された精進落としの食事では、親族から勧められるがままにノンアルコールビールを飲み(たぶんグラスに3-4杯は飲んでいました)、出てくる会席料理は残さずに完食。(コースで配膳されるタイプで、前菜、焼き物、刺身、御椀、天ぷら、ご飯、茶碗蒸し、漬物、吸い物が提供)私や従姉妹たちが「ご飯はもう無理!」「デザートも食べられない〜」とおかずだけで既に満腹になっているにも関わらず、叔母はデザートに出た梨に目を輝かせ「美味しいわー」と盛られた2切れを全部を食べきっていました。

さらに「叔母ちゃん、私の分もあげるわ」と梨を差し出す従姉妹たちの分まで(追加で4切れ)食べてしまいました。安全ピンで留めていた腰ベルトはさすがに留まらなくなり、食後に叔母はベルトを外してしまいました。しばらくしてから「苦しいわー。食べすぎた」という叔母。食後に向かった斎場への山道は、ゆっくりゆっくり揺らさないように運転しました💦(嘔吐でもされたら大変です)

「たくさん食べれて、若いなぁ」と兄(叔父)に言われたのが嬉しいのか「兄貴も食べな長生きできないで!」と嬉しそうな叔母でした。

【認知症の過食】満腹感を感じられない

ここ数ヶ月、私は認知症への知識を得るために、図書館で数々の本を借りて読んでいました。ネットではどうしても浅い解説しか見当たらないので、やはり詳しく知ろうとなると、図書からの知識が必要です。本を読むと【食に関する認知機能の低下】について書かれたものがありました。やはり認知症になると【脳からの満腹のサインを感じにくくなる】ということが書かれていました。まさにこれだ!となりました。

その他にも逆に【拒食】になる方や【異食】(食べ物ではないようなものを食べたり、調味料だけを直接食べたりするなど)起こす方もあるということが書かれていました。、叔母の場合は【過食】を起こしているようでした。

過食の場合、たくさんの量を食べるようになるケース以外にも、頻回摂取を起こし何度も食事を摂るようになったり、食事した後に「まだ食べていない」という見当識障害を起こすケースもあるとのことでした。認知症になると中枢神経からの満腹のサインが感じられなくなるという【脳の障害】が起こるということで、食生活にも影響を及ぼすということを知りました。

よくドラマや映画で目にするのは「おばあちゃん、さっきもご飯食べたでしょ?」というようなシーンですが、こちらは中期以降ではないかと考えられる「食べたことを忘れる」認知症ではないかと思われますが、今回【満腹がわからなくなり、量をたくさん食べる】ということを初めて知りました。

ひとり暮らしの過食で気をつけたいこと

それまでの叔母は、細身で体力がなく、逆にしっかり食べて欲しいと考えていたので、今はフレイルを維持して欲しい時期なので、食べ過ぎをやめるようには伝えませんでしたが、食事の内容にはやはり問題があります。

私は前職、某自治体の保健センターにアルバイト勤務していたことがあり、その際には保健師や管理栄養士と一緒に、住民対象の健康診断や介護予防、健康保健指導用の資料作りなどをしていました。

そのこともあり、特に特定保健指導用の資料作りでは、病気予防に関するデータも扱っていたこともあり、食事内容と健康には密接な関係があることを知っていたことから、常に食事の量よりもその内容を注視する習慣がありました。

叔母の場合、本来あまり食べられない食の細い人なので、果物を大量に食べすぎてしまうと、必要な栄養素が摂れなくなる(足りなくなる)可能性があります。

果物でお腹いっぱいになってしまうと、たんぱく質が必要量食べられなくなってしまうのです。高齢者のたんぱく質不足は、筋肉量の低下に繋がりやすく、これが長く続けばフレイル状態の維持も困難となり、歩けなくなったり、寝たきりになることも。

また果物ばかりを大量に長期的に摂り続けると、中性脂肪の増加や糖尿病になる可能性も考えられます。

それを防ぐためにも「果物を食べるなら1日【握りこぶし1つ分】の量までだよ」と母や叔母に伝えています。認知症が出てくると自己管理は難しくなりますが、できる限り簡単なわかりやすい伝え方で説明しています。